最近、高音質なヘッドホンが人気です。PCオーディオ、ハイレゾ音源の隆盛もあり、音のよいヘッドホンがこれまでになく求められているからです。では、高音質なヘッドホンとは何でしょう。どんなポイントを見て選べばよいのでしょうか。

ヘッドホンのファッション化もあり、何となく「いいヘッドホン」が多くリリースされている今、あらためて音質のいいヘッドホンの選び方を知っておく必要があります。今回は、しっかりと「高音質なヘッドホン」を選ぶためのポイントを、おすすめ製品とともにお送りします。

高音質なヘッドホンとは

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高音質なヘッドホンでは、まるで生演奏を聴いているような感覚を覚えるほどのリアリティを感じさせてくれます。難しいのは再生周波数範囲、出力音圧レベルなどの物理スペックだけで音を計るのは困難なこと。しかし、高音質なヘッドホンは確実に音が違います。

感覚的な指標として、豊富な情報量、音の実体感、空気感などが優れていることが挙げられます。特に、ヘッドホンでは難しいとされる空間性の広がり感に優れていることが、高音質なヘッドホンに共通の特徴です。

よくある「重低音を強調していて、音に重みがある」ヘッドホンとは違います。自然かつリアルなことが高音質ヘッドホンとして備えるべき条件です。さらにその上で各人の好みの音の傾向を持った製品を見つけることが「音質最強ヘッドホン」探しの旅の終わりでしょう。

一般的なヘッドホンのスペックの傾向

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一般的なヘッドホンは音質だけではでなく、幅広い利用環境を想定した上での使いやすさも考慮した結果のスペックを持つ傾向があります。

ここでの使いやすさとは、装着のしやすさ、持ち運びのしやすさといった使い勝手の面がひとつ。もうひとつは、どんなヘッドホン端子につないでも音量が取りやすいこと。一般的なスマホ、DAPなど内蔵のヘッドホンアンプはそれなりの出力値です。十分な音量を得るにはヘッドホン側のインピーダンスが低く、能率(出力音圧レベル)は高い必要があります。

音質重視ヘッドホンは「使いにくい」スペック的な傾向

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物理スペック(仕様)では音そのものはわかりませんが、音質を重視したヘッドホンであるかは多少想像がつきます。たとえば、音質重視機では持ち運びには適さない大きさと重量スペックが大半。そのほうが音質に有利な条件につながるからです。

また、インピーダンスが高く、能率は低い傾向があります。これは音質重視設計の面のためです。音量に関わらない再生音域バランスの維持と、低音再生能力の向上のためには、高インピーダンス(100Ω以上)、低能率(100dB未満)が有利だからなんですね。そう見ると、「高インピーダンス、低能率」の両方、あるいは片方を備えることは高音質ヘッドホンのキーポイントです。

ただし、十分な音量で鳴らすのに、アンプの出力と高インピーダンスへの対応が必要です。スマホ、DAPでは難しく、わざわざ別個に強力なヘッドホンアンプを必要とする場合もあります。高インピーダンス機は国内メーカー製には少なく、海外メーカーのモニター向けに多いです。高音質のために多少、「使いにくい」スペックも厭わないのが音質重視ヘッドホンなのです。

音質重視ヘッドホンの機能面での傾向

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最近のヘッドホンは、ノイズキャンセリング、Bluetoothといった便利機能がついたタイプも人気です。しかし、こと音質重視なら、こうした機能は無いほうが余計なコストかからず、また回路の場所が無い分、有利。

また、音質重視ヘッドホンでは、安価な機種ではできないコードの着脱(リケーブル機構)可能なものが多いです。コード交換による音質の違いを味わうこともできますよ。さらに、高品位な再生が狙えるバランスヘッドホン端子接続に対応する機種もあります。必須ではありませんが、より高度な楽しみ方として意識するといいかもしれません。

高音質なヘッドホンの選び方 ①密閉型か開放型か

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ヘッドホンには外部環境との遮音性の高低で2種類の基本形式があります。

ひとつは遮音性が高い密閉型。細かい音まで聴こえやすく、低音再生に有利な方式ですが、こもりと閉塞感を感じやすく、空間の広がり感を感じにくいデメリットがあります。

一方の開放型は、遮音性が低いタイプ。空間の広がり感を感じやすく、伸びやかな音質傾向なことがメリット。半面、低音再生能力が弱いことと、音漏れが激しいので人前での使用に適さない弱点があります。

どちらにも得意不得意がありますが、どちらが優れているということはなく、メーカーの考え方によって、両方の方式の高音質ヘッドホンが存在するのが現状です。それぞれの方式の弱点をカバーして、よりオールマイティーな高音質を備える機種も増えています。少なくとも屋外の人前で使うなら、密閉型だけにするのが、ヘッドホンを使用するマナーですね。

高音質なヘッドホンの選び方 ②発音形式で選ぶ

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ヘッドホンの多くはダイナミック型と呼ばれる、一般的なスピーカーと同じ方式で発音します。技術的にもコスト的にも完成度が高く、相当な高級機もこの方式です。一方、専用アンプを必要としますが繊細な音を得意にするコンデンサー型、一部の高級機で使われる平面型もあります。こだわるのであれば、ダイナミック型以外も試聴したうえで検討するのもいいですよ。

高音質なヘッドホンの選び方 ③機器直結重視かアンプ追加覚悟か

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ポータブル機器使用で外でも聴こうというなら、機器直結前提なら高インピーダンス機は避けましょう。満足な音量が取れないことがあります。それでも使いたいなら、高インピーダンスにも対応した高品位なポータブルヘッドホンアンプを併用してください。1万円くらいからあるので、費用はそれほどでもありませんが、荷物は増えます。

自宅用でも高インピーダンス、低能率機は単体のヘッドホンアンプを使わなければ、高音質の真価を発揮できない場合もあります。

高音質なヘッドホンの選び方 ④モニター系かリスニング系か

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ヘッドホンには、音楽制作現場での音のチェックを目的とした業務用、ミュージシャン向けのモニタータイプと言われるものと、一般ユーザーの音楽鑑賞を中心としたリスニング用途の2つに大別されます。このうち、モニター系は、演奏の目前で聴くような生音に近いリアルな再現性を持つ傾向が強く、一方、リスニング系は、必ずしも生音の再現のみにこだわらず、聴きやすい音に仕上げてある場合も少なくありません。

どちらがいいということはなく、選び方は聴き手の好みの問題です。迫真的にリアルなことこそが高音質と思うなら、モニター系を選ぶといいでしょう。ただ、モニター系は音の細部までさらけ出す傾向があり、聴き疲れする場合もあります。

また、リスニング系も、音楽鑑賞向けだけでなく、映画向け、ゲーム向けなどもあります。音楽を主体に高音質を狙うなら音楽鑑賞向けを謳う高級機がおすすめです。リスニング系の高音質モデルは、リアルな高音質を備えながら、聴き疲れしにくい音作りを備えている機種が多いです。

高音質なヘッドホンの選び方 ⑤自分の求める音質の方向性を確認して選ぶ

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高音質なヘッドホンは実のところ、モニター系もリスニング系もリアルなことに変わりありません。それなのに音が違うというのは、コンサートでステージの目の前で聴くのと、ホール中央で聴く音の違いに似ています。

目の前だと大音量で迫り来る音で演奏者の存在感も強く感じますよね。細かい音も聴こえるうえ、一音も聞き逃せないような緊張感の高い状況でもあります。一方、ゆったり感やホールの響き感は感じ取りにくいものです。それがホール中央ですと、迫りくる感じと細かい音は後退しますが、ホールの響きと合わさったまろやかな音でリラックスして聴ける感じになります。どちらもリアルで本物の音です。

ヘッドホンもこれと同じと考えればわかりやすいです。音楽を聞く人の中にも好みはあるため、これがいいといった選び方はありません。自分がよければそれはいいヘッドホンになるため、自分の好みの音質を把握しておけば良いヘッドホンを選ぶことができます。

最近ではハイレゾ音源の登場もあり、従来の「モニター用」「リスニング用」というくくりでは簡単に区別できないような音質傾向のヘッドホンも増えています。ですから量販店で試聴して、よく個別機種の音の確認をすることが大事です。

大型のオーバーイヤータイプがおすすめ

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音質第一のヘッドホンの選び方としては、大型のオーバーイヤータイプを選ぶことがおすすめ。ヘッドホンは発音部のユニットが大きく、その周囲の空間であるハウジングが大きいほうが音質的に有利だからです。オンイヤータイプに比べて、長時間装着時の快適性でも、イヤーパッドが耳をすっぽり覆うオーバーイヤータイプが有利です。

音質重視のためには、あまり携帯性を考慮しない大型機のほうを基本的には選ぶべきということがいえるでしょう。

高音質のおすすめヘッドホン9選

ソニー(SONY) 密閉型ヘッドホン ハイレゾ音源対応 バランス接続対応 MDR-Z7

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商品価格 ¥ 48,480

SONYの最高級ヘッドホンの密閉型です。ダイナミック型として世界最大級の口径70mmユニットの新振動板を採用しています。これにより、再生周波数帯域4Hz~100kHzの超ワイドレンジ再生を実現。装着感を追求したエルゴノミック立体縫製イヤーパッドにより、大型筐体でも快適に長時間聴き込めますよ。バランス接続とリケーブルにも対応しています。

音楽鑑賞向けなので、モニター的な明確さよりもややゆったりとした表現の方向性。リラックスして聴ける高音質ヘッドホンとしておすすめです。

オーディオテクニカ(audio-technica) オープン型ヘッドホン ハイレゾ音源対応 ATH-AD2000X

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商品価格 ¥ 60,150

開放型ヘッドホンを得意とするaudio-technicaの開放型の最上位機。専用設計の大口径53mm径ドライバーを搭載し、緻密な音で正確に表現します。ハウジング内部の空気を拡散する独自のディフューザーにより、開放型ならではの空間性の広がりを一層感じさせる再現性が大きな特徴。

さらに、豊富な情報量を基本にした、高度にオーディオ的な要素をバランスよく持つことで、リアルな高音質です。鳴らしやすいスペックなのに高音質という点も特筆もの。シンプルな構成で最強音質を狙えますよ。

ゼンハイザー(SENNHEISER) オープン型ヘッドホン HD 800 S

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商品価格 ¥ 189,000

開放型ヘッドホンの元祖によるダイナミック型ヘッドホン最高級機です。インピーダンスは300Ω。従来機HD 800の再現性に、中音と低音の再現力を高める改良を施し、さらなる高音質に生まれ変わりました。56mmの大型トランスデューサーの搭載と大型イヤーカップによる、開放感とスケール感溢れる音も健在です。

バランスヘッドホン接続とリケーブルにも対応しています。モニター用とリスニング用の区別も要らないほどの高次元の再生音により、ダイナミック型ヘッドホンの名機として幅広くおすすめ。

ウルトラゾーン(ULTRASONE) ダイナミック密閉型ヘッドホン Edition 5 Unlimited

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商品価格 ¥ 279,936

ULTRASONEによる高級密閉型ヘッドホンです。能率は96dB。独自技術S-Logic EXにより、密閉型では難しい自然で広がりのある空間表現力が高いことが大きな特徴です。チタンプレイテッド・マイラードライバーによる緻密な高音質も見逃せません。まるで目の前で演奏しているようなリアル感。

マット仕上げのルテニウムコーティングが施されたイヤーカップ、ヘッドパッドとイヤパッドはしっとりとした質感の高級素材エチオピアン・シープスキンなど、見た目と装着感の両方の充実度も魅力です。リケーブルにも対応。モノとしてのよさにもこだわる方におすすめします。

アーカーゲー(AKG) Superior Reference Headphones K812

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商品価格 ¥ 141,210

AKGのモニター向けにして最高級ヘッドホンです。能率は96dB。最先端の音楽制作現場が求める、極めて高い精度のモニタリングのために開発しました。AKGとして最大サイズとなる新開発53mm口径ドライバーを搭載した開放型。強力な磁石と大きなハウジングにより、ワイドレンジな高音質を聴かせます。

モニターに必要な細かい描写力と、楽器のリアルな質感再現性を備えながら、ステージを見渡せるような広がり感も両立。旧来のモニター系を超えた、音楽鑑賞にも適した音質です。これぞハイレゾ時代のモニター。じっくり派にもリラックス派にもおすすめできる逸品です。

ベイヤーダイナミック(beyerdynamic) 密閉型ヘッドホン T5p 2nd Generation

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商品価格 ¥ 118,800

ドイツの人気ヘッドホンメーカーの密閉型。得てして高級ヘッドホンはポータブル機器では音量も出ないほど使いにくいもの。しかし、beyerdynamicは最近のポータブル環境での高音質ヘッドホンの需要に対応しました。

独自のテスラテクノロジーを搭載した据え置き用高音質機の素性はそのままに、能率102dB、インピーダンス32Ωと高級機では異例のフレンドリーなスペック。絶妙なイヤーカップの大きさもポータブルに心憎い配慮です。スマホ、DAP直接接続で楽しめる高級ヘッドホンとしておすすめ!

シュア(SHURE) オープン型プロフェッショナル・ヘッドホン SRH1840

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商品価格 ¥ 53,310

高級イヤホンでも人気のメーカーによる最高級ヘッドホン。モニター用にもリスニング用にも向いていると謳う開放型です。スチール・ドライバーフレームが内部での共鳴を抑えることで、どんな音量でも一貫した性能であることも特徴。開放型ならではの広がり感と、モニター向けの情報量で精密なリアル感を持ち合わせた音質は、まさに新時代のヘッドホンです。

色付けが少ないので、音源の性格に忠実な再生音。真剣に聴き込むのにもリラックスして聴くのも一台でこなせる点でおすすめします。

テクニクス(Technics) ステレオヘッドホン EAH-T700

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By: technics.com

商品価格 ¥ 97,200

Panasonicによるオーディオブランドの最高級密閉型ヘッドホン。新形状MLF振動板を採用した大口径50mmドライバーと、アルミ振動板による口径14mmのスーパーツィーターの2Way構成を採用し、ハイレゾ音源対応を遥かに超える100kHzまでの超広帯域再生が特徴。

外見と音質に有利なアルミ製パーツを随所に配置するのも魅力です。音楽鑑賞向けの高級ヘッドホンとして、自然な音質でさりげなくワイドレンジ再生をこなします。眼前にリアルな音像が広がりますよ。

スタックス(STAX) イヤースピーカーシステム SRS-5100

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商品価格 ¥ 144,828

コンデンサー型ヘッドホンの人気メーカーによる最新機。ヘッドホン部「SR-L500」と、専用ヘッドホンアンプ「SRM-353X」のセットです。独自の薄膜振動板と強靭なステンレス製電極に加え、新規設計のエンクロージャーにより繊細な高音質に磨きをかけました。まるでスピーカーから音が鳴っているような自然な音で魅了します。

41kHzまで再生可能によりハイレゾ音源にも対応。高品位なプレーヤーを用意している方にもおすすめです。