PCオーディオを楽しむために必要なのがDAC(ダック)と呼ばれる周辺機器です。これはPCに取り込んだ”デジタル(Digital)”音楽を、スピーカーやヘッドホンに出力する際に”アナログ(Analog)”音楽に”変換(Convert)”するための装置です。市販の数千円のUSB DACでも、PCの内蔵オーディオよりも音質は上がるとされており、より良い音を楽しみたいと考えるユーザーからの支持を得て普及が進んでいます。しかも最近では、PC本体に直接ヘッドホンを差し込んでもハイレゾで再生できるリッチなモデルも登場しています。
※ハイレゾ対応ヘッドホンが必要です。

ハイレゾを楽しむための基本とは

ユーザーがハイレゾを求める理由の1つに、「録音現場(スタジオ)でアーティストが実際に発している音を聴きたい」という要望があります。本来スタジオで収録された音源はCDを上回る高品質なものですが、これをそのまま販売するにはデータ量が大きすぎるため、多くの場合CD音質にダウンコンバートされています。この”ダウンコンバート前”のオリジナル音源もハイレゾの一種です。

デジタル録音された音楽データは、音の”高低”を決めるサンプリング周波数と、”大小”を決める量子化ビット数で品質が決まります。一般に、CDが採用している 44.1kHz / 16bit のオーディオデータを超える情報量を持つ曲を「ハイレゾ」と呼びます。MP3等非可逆圧縮されたデータをグラフ化すると階段のようにカクカクした感じになりますが、より多くの情報を持つハイレゾ音源はこの階段が細かくなり、結果なめらかな曲線を描くようになります。ちょうど解像度の低いモニタに表示されたドット絵が、解像度の進化に伴って”輪郭”を忠実に再現できるようになる感じです。

しかし、デジタル記録方式として主流のリニアPCMでは、どれだけ情報量を増やそうとも”小さな階段”状に音が記録されるため、厳密には曲線になりません。そこで注目されているのがDSD方式で、これはデジタル録音方式でありながらアナログ方式に極めて近い記録ができると言われており、高音を扱うヴァイオリン等の楽器を使ったクラシックやジャズなどの録音現場で愛されています。DSD音源は量子化ビット数1bit、サンプリング周波数が2.8MHzあり、これを超える情報量を持つものは全てハイレゾと呼ばれます。

DSDは前述どおりアナログ録音にきわめて近い方式となりますが、対応機器や販売を行うサービスがまだ少なく、またPCなどで再生するためにリニアPCM方式に変換してしまうと若干の変化が表れると言われているため扱いの難しいものでもあります。

今回紹介した東芝のdynabook Tシリーズのハイレゾ対応モデル(2015年秋冬シリーズ)は、プレインストールされた「TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+」がDSD音源の再生に対応しています。

東芝(TOSHIBA) dynabook T67/TG

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東芝のダイナブックTシリーズでハイレゾに対応した製品はいくつもありますが、T67はその中で比較的大きめのディスプレイ(17.3型)を搭載したワイドなモデルです。スタンダードなクラムシェル型のノートパソコンながら、ハイレゾ対応のヘッドフォンを差し込めばDACなしでハイレゾを再生できます。

また、ワイヤレスミュージック機能を使えば、スマホで購入した曲を再生するBluetoothスピーカーに変身させることもできます。基本スペックは、OSがWindows 10 Home 64bitをプレインストール、Intel Core i5-5200Uプロセッサ(~2.2GHz)、4GBのメモリとなっています。

東芝(TOSHIBA) dynabook T95/TG

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同dynabook Tシリーズとして最新の2015年秋冬モデルの最上位版「PT95TGP-BWA(dynabook T95/T)」は、Intel Core i7-6700HQプロセッサ(~2.6GHz)に8GBメモリ、1TBのHDD、4K液晶を搭載したプレミアムなモデルです。オーディオアプリ「TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+」がハイレゾに対応しており、ハイレゾ対応のヘッドフォンを繋ぐだけで即再生可能な手軽さが魅力です。

富士通(FUJITSU) LIFEBOOK AH77/W

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富士通のFMVブランドのハイエンドモデルにあたるAHシリーズも、ハイレゾ再生に対応したオンキヨー製のスピーカーを搭載しています。またヘッドフォン端子もハイレゾに対応しており、ワイドでクリアな音質を楽しめるようになっています。

富士通といえばスマートフォン「ARROWS」シリーズもそうであるように、強力な日本語入力システム(IME)の「ATOK」を標準装備しているところも魅力です。またこちらはクラムシェル型のノートブックでありながらキーボードにテンキーが付いており、作業面でも非常に頼もしい存在となるはずです。